第18章 恋仲〜信長編〜
「っ、............」
自分から提案しておいて、今更恥ずかしくなったのか、空良は体を硬くして顔をますます赤らめた。
(本当に、愛らしい奴だ)
何を今から俺にしようと言うのか、心待ちにしていると、
「信長様、大好きです。お休みなさい」
俺の両手に空良の手を重ね握り合わせると、俺の胸に頬を寄せて目を瞑った。
(.....................ん?目を瞑っては、何も出来んだろうに..........いや、せっかく奴からやる気になったんだ。もう少しだけ待ってやるか。)
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だが、待てど暮らせど〔注:正確にはそんなに時間は経っていない〕奴は俺の胸に頬を寄せたまま目を瞑り何もしようとしない。
「..............おい、何をしておる?」
我慢も限界に来た俺は、奴に声をかけた。
「え?」
俺の声に驚いて顔を上げる空良だが、
「早く貴様の考えとやらを見せろ」
驚いているのは俺の方だ。
「え、だからもうしておりますが.......」
空良は再び俺達二人の手をキュッと握り合わせ、俺の胸に顔を埋めた。
「は?.......何もしておらんだろう?」
「えっ?」
(だから、その驚きは何だと言うのだ!?)
「だから、私がしたかったのは、こうやって手を繋いで、身体を寄り添わせて今夜は眠りたいんです」
先程と同じ行動を、今度は言葉で説明しながら実践してきた空良。
「..........まさかとは思うが、それが貴様のしたい事か?」
「そうです」
「その後は、そのまま何もせず眠ると.......そう言いいたいのか?」
「?そうです。いけませんか?」
(いけませんか、.......だと?
この、俺の滾る思いを今からどうしてくれる?
とっくに我慢は限界だ!!)
「信長様?..........っわ!」
堪えきれず、俺の様子を伺おうとした空良の身体を褥に沈めた。