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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第17章 恋仲〜後編〜



「ご迷惑をおかけしてすみません。信長様はもう私には会いたくないと言う事ですよね。お部屋を用意して頂くなど、そんな贅沢な事は出来ませんので女中仲間にお願いして、その部屋に暫くは置いてもらいます」


涙を拭い頭を下げると空良は俺に信長様の着替えを渡して来た。もう既に、城から出ていきそうな位の雰囲気を醸し出している。


「待て、早まるな空良。それだと俺が信長様に斬り殺される。頼むから、指定された部屋に行ってくれ」


「でも.......」


「これは言わば、恋仲として必要な喧嘩という儀式だと思え。恋仲とは言え、楽しい事ばかりだとお前も思ってないだろう?」


城を出て行かれたりなんかしたら、本当に殺されるどころの話じゃない。
顕如の所に連れ戻しに行くと言った際も、どれだけ俺が苦労したと思ってるんだ!


慌てて空良の肩を掴んで諭すと、コクンと素直に頷く空良。
(ヤバい、本当にハマりそうだ)


「信長様はああ言うお方だから一度ヘソを曲げると中々大変なんだ。落ち着いた頃を見計らってお前から歩み寄ってくれ。分かるな?」

「はい」


「朝餉を食べ終える頃に使いの者をよこすから、一応部屋の移動の準備だけはしておいてくれ」


「はい。..........あの、......信長様は、昨夜はどちらでお泊まりに?」



心配そうな空良の顔。世情には疎くとも、信長様のこれまでの女性遍歴は女中達から聞いて知っているのだろう。


「心配するな。信長様は、昨夜はお一人で大広間で眠られた様だ」


ぽんぽんっと頭を撫でてやると、ホッと顔を緩めた空良。
そんな空良を可愛いと思いながら、俺は部屋を後にした。


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