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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第15章 道




「そう言えば、紹介がまだだったな。俺は伊達政宗。伊達家17代目当主だ。よろしくな空良」



「伊達、まさ....むね?」

あの、奥州の大名!?


「そ、そんな偉い方とは知らずに数々の無礼をお許しください。空良と申します。宜しくお願いします」


信長様の腕から離れて慌てて頭を下げた。

奥州を統べる伊達政宗とは、隻眼の美丈夫だと噂で聞いたことがあるけど本当だ。


「おい何を見惚れておる。それに俺の時とは随分と態度が違うが」

腕から勝手にすり抜けた私を再び腕に閉じ込め、信長様は拗ねた目で私を見る。


「えっ、それはだって.....」

私はあなたの命を狙っていたから.....


「俺の事は政宗でいい。お前は信長様の刺客から恋仲へと転身を遂げた、この下克上に相応しく面白い女だ。歓迎する」

綺麗な顔が、ふっと優しく微笑んだ。


「俺の事も家康でいいって言ったでしょ。いつの間にかよそよそしい呼び方に戻ってるのやめてよ」


「家康さん........」

「だから、」


「は、はい。家....康.....」

ぷいっと家康は顔を逸らしてしまった。
もしかして、照れてる?この中にいる武将たちの中では秀吉さんに次いでたくさんお話をしたことがあるけど、彼の事はまだ掴めきれない。



「要するに、お前は信長様の恋仲でもう俺たちの仲間だって事だ。身分なんてものは関係ない。気にするな」


「秀吉さん、.........ありがとうございます」


逃すまいときつく抱きしめられた信長様の腕の中から、私は感動しながらお礼を言う。

ほら、私はこんなにも幸せで、これ以上望む事なんて何もない。


結局私の座る場所は、朝餉の時と宴会に同席した時のみ信長様の横に甘んじて座らせてもらう事にし、それ以外の来客や軍議などに万が一にも私が同席する際には、下座へと座ることに決まった。

政宗が作ったと言う朝餉は今まで食べたどのご飯よりも美味しくて、私は更に幸せな気持ちでいっぱいになった。



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