第13章 寄り道 中編
首から胸にかけて、信長様は何度も手を滑らせる。
「ふっ、.........あっ」
「この細い首も、白く柔らかな胸も俺のものだ」
「んっ、」
首筋に唇を押し当てると、言葉通りに一つ痕を落とし、胸元にも一つ痕を落とす。
「この細い腰も、しなやかな脚も、そして俺を咥えて締め付けて離さないここも、全て俺だけのものだ」
ちゅ、ちゅっと、信長様は戯れる様に私の身体中に口づけを落とし、時折甘い痛みを落としていく。
「んっ、.....あっ、.....」
その度に私は擽ったさと恥ずかしいくらいの甘さを感じて身が窄んでしまう。
信長様はそんな私の反応に目を細め、唇を重ねると、私の口内に舌を割り入れ深く口づけていく。
「んっ......ふっ、んっ、.........ぁ」
絡み合う唾液の音と、時折漏れる私の声が、静かな部屋に響く。
「んっ、.........ふっ、............ぁっ」
何度も角度を変え、舌を絡ませ呼吸が奪われて行く。
「蕩けた顔をしおって」
「はぁ、......はぁ、だって.........」
「だって.....何だ?」
分かってるくせに、信長様はその言葉の続きを言わせたがる。
「っ..........信長様の口づけが気持ち良くて.......」
「ふっ、当たり前だ」
俺様な声の主は少し唇を浮かせ、満足気にイタズラな笑みを浮かべた。
「口づけがこれ程に甘く特別な物だと、貴様が俺に教えてくれた」
「え?」
「愛しい者との営みがこれ程に心を満たすとは思わなかった。気持ち良くなるのは貴様だけじゃない。俺も同じだ」
ちゅっ、ちゅっとあちらこちらに口づけが降り注ぐ。
また、心の臓が煩いと笑われそうだけれど...........
「っ、........私、幸せすぎて死んでしまうかも.......」
大好きな人からの言葉だけで心がもう幸せに溢れてしまって、心の臓がもちそうにない。
「ふっ、阿保だな。やっと手に入れたのにこれ位で死なせはせん。貴様はもっと幸せになる」
呆れた顔は私の胸へと埋められ、チュウっと胸の頂を口に含んだ。