第12章 寄り道 前編
唇をなぞり、歯列をなぞり、差し込まれた舌が私の舌を絡めとる。
「んっ...........はっ.....ん、...ん」
呼吸する間も無く角度を変え深く深く貪られ、唾液の絡み合う音が湯殿に響くと更に身体を熱くしていった。
既に私の中に挿入っているモノが時折りドクドクと主張して来て更に息苦しさを煽る。
「はっ、..........ん、まって、んっ........苦しっ!」
腰を緩々と打ちつけだした信長様に止まって欲しいとお願いしたいのに.....
「無理を言うな、っ、これでもかなり抑えてやってる」
綺麗な顔が苦しそうに息を吐いて眉間にシワを寄せた。
「?そうなんですか?ありがとうございます、...... でも、んんっ」
「ふっ、最中に礼を言うなどつくづく読めん奴だ。意味を分かっておるとも思えんが.......くっ、」
呆れたような笑い声が聞こえてきたけど、私の中を我が物顔で動き回るアレに気を取られてもう余裕なんてない。
「ふっぁ、....ッダメ、そんなに動かないで、あぁん!」
抑えの時間は終わってしまったのか、緩々した動きは次第にガツガツとした動きへと変わり、私のお尻を持つと、更に深く腰を沈められた。
「やっ、あぁ.......奥、だめぇ、」
「っく、空良.....」
本当に、久しぶりに身体を重ねたんじゃないだろうかと思う程、お互いの身体が求め合っているのが分かる。
肌と肌がピタリと重なり吸い付いて離れたくないと言っているように思えた。
「やっ、あっ、あぁ、...」
いやらしく喘ぐ私の声と、信長様の荒い呼吸を、ばちゃばちゃと大きなうねりを作ってはぶつかり合うお湯たちの音が掻き消していく。
「も、......だめ、のぼせる......はっ、あっ、あっ」
お湯の中、どんどん高められていく身体は沸騰寸前で、時折り重なる唇に呼吸もどんどん奪われて行く。
「っはぁ、.......ここに手をつけ」
一旦身体を離して私をお湯から出すと、腰掛け用の石に四つん這いになる体勢で手をつかされた。