【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第1章 記憶と感覚
駐車場が見えると愛車に背中を預け腕組みをして待つ安室がいた。
『お待たせしました?』
「いや、気にするな」
顎で助手席を指し"乗れ"と指示をされ乗り込んだ。
会話をする気配の感じられない安室の横顔を覗き見ると、数時間前までの険しさは無く少し安堵する。
暫く走り続けると人気のなさそうな薄暗い港で停車し、顎で"降りろ"と指示をされ、少しムッとしたがだが素直に従った。
車から降りると安室は唇に人差し指をあて"シーッ"と近寄り、の首まわりを確認しはじめた。
端正な顔が徐々に近づき、指が首を掠め耳元には少し抑えられた吐息がかかり、はほんの少しだけ羞恥心を感じた。
触れられていた指が離れると、小さく丸いボタンのような何かを見せられたが、それが何か分からず小首を傾げて見せる。
安室はそれを指で潰した。
「コナン君の仕業でしょうね」
『え?今の何?』
「恐らく発信機か盗聴器ですね」
『ええ?コナン君て小学生でしょ?どうゆう事よ』
ふぅーと大きな息を吐くと複雑そうな表情を浮かべた安室。
「…本当に何も覚えていないのか…」
『何に対しての"何も"なの』
「……」
『ごめんなさい、本当に良くわからないの』
「そうか…」
『ねぇ、ところであなたは私の何?』
を見つめ、また何かを考え込む安室。
『元カレか何か?にしたら嫌われすぎてる気もするけど』
ふふっと笑いながら言うに目を見開き驚いた顔をし表情はすぐに曇った。
『え、冗談で言ったのだけど…』
「…すまない、の事は知っているが…まだ話せない」
『…そう、今のところは"私"に反応を見せたのは安室さんだけ。あなただけが頼りだった』
「すまない」
『これ以上話すことなさそうね。駐車場まで送ってちょうだい』
何か言いたそうに口を開きかけた安室は唇を噛みしめ言葉を飲み込んだ。
そんな安室に背を向け早々と車に乗り込んだ。