【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第3章 予兆と徴標
足首を掴まれたまま顎の先に指をあてる沖矢。
「ホー…大胆ですね」
ジーッと視線は一点に集中され、隠せず顔が真っ赤になる。
床に両手を付き反対の足に反動をかけ蹴り上げると、掴んでいた手は離された。
『っはぁはぁ、最低』
「身体能力は高く、前のより気が強い」
『前の私なんて知らない!!』
「俺は気が強いのは嫌いじゃない」
見た目は沖矢、中身は恐らく手榴弾男だと感じるは飄々とする彼のペースに乱され苛ついていた。
同時に彼にも演じ分けなければならない理由があるのだと察する。
『そんな事は聞いてない!彼はっ!?彼は無事なの!?』
「あぁ、生きている」
『……良かった』
その場でへたり込むの横を通り"紅茶で良いか"と聞くどこまでもマイペースの沖矢。
『いや、飲まないし。スマホ返して。家に帰る』
「帰すわけがないだろう」
へたり込むを横抱きにしソファに乗せる。
『…え、なんて?』
「そろそろボウヤが来る頃だ」
『は?』
インターホンが鳴り沖矢が玄関の方へ歩くと、コナンと戻ってきた。
『…コナン君』
「…さん、ツラい思いをさせてごめん…」
『…最初から知ってたの?』
「………ごめん」
その声は子供の声ではなくトーンの低い落ち着いた声だった。