【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第3章 予兆と徴標
(一人になれるとこ、一人になれるとこ…)
兎に角一人になりたかったは行く宛もなく車両を突き進んでいた。
すると次の車両のドア窓が暗いことに気づき、ゆっくりとドアを開けた。
その車両は真暗でそれぞれ個室はあるものの乗客用ではなかった。
一番奥の個室だけ通路側にドアがなく車両のドアの側に付いていた。
(もうここでいいわ。頭が冷えるまでここにいる…)
木箱が置いてあり腰をおろし壁に背を付けた。
(零にしろ昴にしろ人の事をなんだと思ってるの、あぁもう…おでこ痛い……)
おでこを擦りながら頭に浮かんできたのは彼だった。
(あぁ…でもあんなトゲトゲした零も可愛いなぁ…)
そしていつの間にか眠ってしまっていた。
本人は露知らず、彼女を探す影が彼女が居眠りしてしまった個室のドアをゆっくりと開ける。
『……ん?っん??』
息苦しさに目覚めると口は布らしい物で塞がれ手は後ろ手に纏められていた。
状況を把握しようと周りを見回すと木箱に座る自分の隣に腰をおろした男の頭が見え、瞬時に蹴り上げようと足が出るも抑えられ壁に押さえつけられた。
背中を取られている上に暗く顔は見えない。
『っっ!!!』
「足癖も悪いのか…」
『…(足癖…も??)』
「静かにすれば危害は加えない。邪魔をすれば刺す」
すっかりお守りのようになった使用頻度の全くない左腿のナイフが抜かれている事に気づいた。
一度だけ頷く。
「よし、いい子だ」
壁に押し付けられていた身体が離れ力を抜くと、この車両に誰かが入ってくる気配と…声がした。
それは良く知る声だった。