【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第3章 予兆と徴標
『…あれ?安室さん?』
驚いて振り向いた彼の表情ははじめて見るものだった。
「…どうしてここに…」
『昴さんとコナン君に誘ってもらったの、安室さんこそ…』
先日までポアロに来る彼の事を"沖矢さん"と呼んでいた彼女が"昴さん"と呼ぶ、鋭くなる視線は沖矢に移る。
「こんにちは、安室さん」
「ええ、どうも」
「チケットを入手するのは大変だったでしょう」
「ええ、運良く一枚だけ」
安室から目を離さずにの肩に手を置き引き寄せた。
『ちょっと、昴さ…
言い終わる前にの腕を引き腰を抱き寄せ、沖矢から目を離す事なく噛み付くように激しく唇を奪った。
その視線もキスも安室でも零でもない鋭く激しい攻撃的なものだった。
『っん…っっふ、あ……っ、ろ、さんっ』
は安室の頬へ両手を添え口元を離すと、視線が合い一瞬だけ零の顔になり表情が歪んだ。
『…はぁっ、はぁ…、れ、透さん…どうしたの?』
目線を沖矢に戻し険しい顔になり、の耳元に唇をあて"後で連絡する"と普段より少し低い声で言い残し車両を移った。
『…っもう…一体何なの!』
「随分と熱烈的ですね」
『……言わないで』
零の不自然で突拍子のない態度や行動に、ここで彼が自分と遭遇する事はイレギュラーで、恐らく潜入捜査で来ているのかもしれないと想像する。
しかし沖矢に対する鋭い視線と、わざわざ彼の前でキスをブチかますのは勘弁して欲しいと心から思った。
「一度…部屋に戻りましょうか?」
『ごめんなさい、そうさせて』
「色々と大変そうですし」
『……一言多い』
また自然に背中に腕を回されたは、少しだけ身体がピクリと反応してしまい、沖矢はそれを見逃さなかった。
沖矢とコナンに安室"とは"何もないただの同僚だと伝えていただけにバツの悪さを感じるだった。