【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第3章 予兆と徴標
あたかも自然な流れのように工藤邸に足を入れるに、当たり前のようにソファに促され出される紅茶。
『私の聞きたい事は答えてもらえないのに…、用件は何?』
「安室さんだよ、やっぱり何か関係があるの?」
『安室さん"とは"ないよ。茶目っ気の強いただの同僚』
全くもって嘘ではない。
何かを考える素振りを見せる沖矢。
「さんも推理小説は好きですか?」
『…はい?』
予期せぬ問い掛けに思わず聞き返すと、何を言い出すのか顔が強張るコナン。
「実はチケットが一枚「昴さん!」
コナンの嫌な予感は当たる。
少し声を荒げるコナンに一瞬だけ視線を移し話を続けた。
『え、なに?』
「ミステリートレイン、一緒に行きませんか?」
を保護する事が目的とするはずの彼が、なぜ彼女を前にすると伏せたい情報を話し、危険な橋を渡りたがるのか頭を抱えるコナンだった。
『??』
「…ベルツリー急行だよ、走行中にクイズが出されたりするんだ」
『誘ってくれるの?私が行ってもいいの?』
あの日、目覚めてから安室以外に友達はおろか遊び相手すらいなく、相手は誰であれ純粋に"誘われた"事がは嬉しかった。
その表情は普段から見せる大人の女性の顔とは違い、あどけない少女のように見え二人は驚いた。
「さんさえよろしければ」
『友達に遊びに誘ってもらえたみたいで嬉しい…』
保護すると伝えたときは不機嫌そうに時には刺々しく感じた彼女とは違い、少し照れながら笑う顔は、沖矢はともかくコナンですら可愛いと思ってしまった。
しかしそれが純粋な遊びの誘いではないだろう事にコナンは罪悪感と不安を覚えた。
こうしての運命を大きく揺るがす事になるミステリートレイン行きが決まる。