【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第3章 予兆と徴標
歩美の放つ爆弾にギョッとしながら、両手をあげ横に振り周りのテーブルに聞こえない声で答えた。
『透さ…安室さん"とは"付き合ってないよ?』
確かには"安室 透"とは付き合っていないから嘘にはならないが、零の事も誰に言うでもないが秘密な関係に少し胸がチクッとした。
一連のやり取りをカウンターに戻らずに見ていた安室は、徐にひざまずきの手を両手で包んだ。
「僕はさんの事、好きなんですけどね」
口元に両手をあて頰を赤く染め"キャー"と興奮する歩美、顔を青くし"キャー"と悲鳴を響かせる安室ファン達、その中には固まる梓の姿もあった。
唖然とするコナンに表情を崩さず安室を見る沖矢…フリーズするがいた。
「揶揄うのはそれくらいにしないとさんが困ってしまいますよ」
安室の包むの手を肩ごと引き寄せ沖矢が離させると視線を合せる二人。
端から見ればそれはイケメン二人の笑顔であり目の保養にしかならないが、コナンやからすれば不穏でしかなかった。
もハッとしたように動き出しす。
『も…もう、また比喩ったんですか!"安室さん"は仕事に戻ってください!』
椅子から立ち上がり安室の背中をカウンターまで押しやり誤魔化し、焦るをよそに当の本人はとぼけた様子だった。
安室ファンも比喩われるなら自分もされたいと各々頭の中で処理をした。
梓は安室がそんな冗談を言う事がないのは分かっていた。
は梓を視界に入れる事ができなかった。
歩美が招いた種の責任を取るべくコナンは歩美を連れの元にくる。
「さん、僕達と一緒に帰ろう?」
目一杯の少年ぷりに彼の助け舟だと心の中で拝みながらコナンに乗ることにした。
『うん、帰ろうか。梓さん"安室さん" 救急箱ありがとう。お先に失礼します』
ペコッと頭を下げ、歩美とコナンと一緒にそそくさとポアロを出た。
店内の空気も通常営業になったころ沖矢が席を立ちレジに向かう。
応対する安室と両者譲らない貼り付けスマイルで会計を終えた。
そしてポアロ内での"透"呼びは封印された。