【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
呆けた降谷を見つめる自身もまた、呆けている。
衝動的な行為に、徐々に罪悪感が募った。
『…あ、あの』
言い掛けたたころで、の臍下らへんを降谷がそっと撫でた。
『あの、零…?』
撫で続ける降谷から、嫌悪感は見られない。
「順番も…、滅茶苦茶だ」
『?』
降谷はの左手をとった。
ゆっくりと互いの指を、互い違いに握りしめる。
「はは…何とも…、不格好だけど」
『零?』
不思議そうなに、降谷は穏やかに笑う。
「僕と、結婚してくれないか」
握っていた手をぎゅっと握り返した。
思いがけなく告げられた言葉に、も穏やかな笑みを浮かべた。
『…うん、する。するよ!もちろん!』
「断られなくて良かった」
少しだけ情けなさを浮かべる表情はとても愛おしくて、心臓がきゅっとなった。
『断るわけな─
と、言い終える前に扉がノックされ、同時にスライドドアが開かれた。
と降谷の視線は開かれた扉へと移った。
現れたのは、顔を真っ赤に染めた志保だった。
「なっ!あなたたち何して…」
「灰原…?」
志保は光の早さで扉を閉めた。
扉の外からは、志保達の声が聞こえている。
『あ…、鍵…』
「とんでもないところを見られたな…」
『ふふ、本当に不格好…』
「…熱がぶり返しそうだ…」
額に手の甲をあてて、うっすらとを伺う。
不格好なプロポーズの後の、格好つかなさに2人は声をあげて笑った。
はベッドから降りると、降谷と自身の身だしなみを整えた。
扉の外からは、志保と新一の押し問答が聞こえている。
『…ごめんね、どうぞ』
が扉の外へ声をかけると、そろそろとドアはスライドする。
少しの隙間から志保が様子を伺い、どこか非難めいた視線とぶつかった。
『…ごめんね?』
「ここ、病院よ!」
ひそやかな声ながら、志保の説教には耳が痛かった。
『ごめんてば…』
両手を合わせて拝み倒すに、志保は呆れたように「もうっ」と溜め息をついた。
「もう平気よね?」
『うん』
ドアが通常営業に戻ると、志保と新一、それと赤井が姿を現した。
「よっ!安室さんの体調はどう?」
『薬の副作用があるけれど…』
「元気でしょうね?」
志保はツンと答えた。