• テキストサイズ

【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第10章 零の奪還



降谷が着替えている間に、は男に問いかけた。

『私達を助けたあなたの優しさが敗因の原因ね』
「優しさ…、馬鹿馬鹿しい」
『捨て置けるくらいなら良かったのよ…、ジンのように…』

着替えを終えた降谷に、右側のピアスを外し手渡した。
そして自身の左側のピアスの青く輝く宝石を強めに押し込んだ。

『聞こえる?』

少しのノイズに混ざり、志保の声がピアスから聞こえた。
その様子に降谷もピアスの宝石を押し込んだ。

─「、無事?無事なの?!」
─『うん、零も無事。連絡が遅くなったわ』
─「良かった…」

予定よりも食い込んだ時間に、志保は胸を撫で下ろした。

─『GPSは追えてる?』
─「問題ないわよ、ほぼリアルタイムね」
─『それじゃ、始めましょうか』
─「ええ、今度こそ…終わらせるわ…」

降谷はを見つめた。
事の展開は読めたとして、具体的な案までは知り得ない。

「、何をしようとしているんだ」
『えっと…、この船、沈むわ』

その言葉に一番驚いたのは男だった。

「な…、なん…」
『ジンの敵は、日本警察だけではないと言うこと。製薬会社の…組織の本拠地の事件くらいは聞いたことあるでしょう?』
「組織を壊滅に追い込んだ他国機関…、しかし…、あれは異例の体制だったと…、まさか…」

その司令塔を担ったのは降谷であり、大打撃を与えたのはだ。

『あとはご想像におまかせするわ』
「少年とあいつも、絡んでいるのか?」
『もちろん』

降谷は髪をかき上げた。

「また借りを作ってしまったな」
『利害一致よ?』

はふふっと笑った。

「またあの規模が動くのですか…、私の任務は…」
『私達に協力するしかないんじゃない?』
「车到山前必有路,船到桥头自然直」

降谷はなるようになると、中国語の格言を用いて男に伝えた。
その楽観的な物言いに、男は眼鏡を薬指で持ち上げた。

「選べる道は…なさそうですね」
『国に帰りたければ、ね。あなたには戻りたい場所はないの?』
「ありません」

は少し考え込み、迷いなく言いきる男から降谷に視線を移した。

『彼が望むなら』
「承認保護プログラムも適用されるだろう」
「承認保護プログラム…」
『悪い話ではないでしょう?』

男は大きく息をつくと頷いた。

/ 299ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp