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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第10章 零の奪還



「離して…くれ…」

痛々しいほどに浮き出た血管は、どくりどくりと今にも爆ぜそうに限界を伝えていた。
は喉奥を締め付けながら、優しくあやすように舌を絡ませると、降谷は唇を噛み締めながら小さく呻いた。

「…っ、っは…」

間もなく身体を震わせながら、の咥内に熱を吐き出していた。
鈴口から残滓を吸い上げて、咥内に吐き出された降谷の精液をこくりと飲み干した。

「んっ…、ん…」

肩で息をする降谷は、長い時間を熱に浮かされ続けていた。
吐き出せた熱と気怠さがも相まって、急激な睡魔に教われていた。
首はことりと落ち、寝るな、駄目だ、そう言い聞かせてみても身体も心も鉛のように重く、泥のように襲いくる睡魔には抗いようもなかった。
静かな寝息がの耳にも届いていた。

「ちっ…、寝やがったか」
「ジン…?」
「まぁいい」

ジンはの臀部にかかるティーバックの細い紐を親指で右側にスライドさせた。
降谷は眠りに落ちたけれど、この部屋には第三者の目がある。
嫌だと言えれば、それを聞き届けてくれるような人間なら、どれほど良かっただろうか。
は状況を自動思考する。
これはジンと関わる上で身に付いたものだ。

(今は…まだ…、行動に移せない)

せめて降谷の状態が落ち着くまでは、逆らわず従順に、決してそれを悟られることなく過ごさなければならない。

(大丈夫…、ジンはまだ手を下さない)

そして降谷の意識がある時に、再度行為をするはずだと推測する。

「何を考えてる」

時間的にはほんの数秒だったはずだ。
何かを気取られるほど、表面に変化を滲ませてはいない。
この瞬間も、動揺とは無縁の自身を演じなければならなく、次の手を思い付くと同時に振り向いた。

「膝が痛いわ」

硬いローテーブルをコンコンと手の甲で叩いて見せる。
それと同時に振り返りながら仰ぎ見るジンの表情は、の記憶にないもののはずなのに、身体は冷や水を浴びせられたように、瞬時に硬直していた。

絡んだ視線は冷ややかで、残酷に笑うジンは、まるであの時のようだった。

(………あの時…?)

指の先がビリビリと痺れるこの感じをは知っている。
失われた記憶は、ぼんやりと輪郭を取り戻しはじめる。

最悪のタイミングで。
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