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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第10章 零の奪還


指定された場所へ車を走らせる。
到着したのは寂れた埠頭だった。

(ここは、ダミーってことかしら。用心深いわね)

車を降りると、3台の黒塗りのセダンがFDの後方で停車し、数人の男達が姿を現した。

「お待たせいたしました、コードネームを」

1人の神経質そうな男が、無表情なうえ抑揚のない声で告げた。

『初次见面(はじめまして)』

男の眉はわずかに反応を見せる。

「日本語でかまいません」
『あら、お上手ね』
「コードネームを」
『ミスティ』

男の雰囲気と少し癖のある日本語から、中国人だと伺いしれた。
と、なればジンの後ろに着いているのは、中国系の組織ということが濃厚になる。

2人の男達が物珍しそうにFDに近付くのを、は横目でとらえた。

『傷つけたら殺すわよ』

2人の男達は肩をすくめFDから離れた。
無表情の男は気にかけることなくの目の前に立つと、手のひらを差し出した。

「携帯電話をお預かりします」

はスマホを手に取ると、海に向けて力の限り投げた。
スマホはぽちゃんっと間の抜けた音をさせ海に消えた。
男の表情は変わらない。

「武器の類いはお持ちですか?」
『見てわからない?確かめてみる?』

は両手をあげると、男は動揺することなくボディチェックをはじめた。
素肌に触れる指に、少しの違和感を覚えた。

「女性は隠す場所が多いですから」
『気になるなら、調べればいいわ』

の前に跪く男を見下ろして告げると、男はゆっくりと立ちあがった。

「そこまでの指示は受けておりませんので、こちらへどうぞ」

1台のセダンの後席に案内されるまま乗り込んだ。

(おそらく…移動先も海沿いのはず…)

車はゆっくりと走り出した。
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