【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
スマホの振動音で脳が覚醒する。
確認すると、時間と場所が記されていた。
準備にあてる時間は十分すぎるほど用意されていた。
シャワーを浴びに1階へ降りると、ローソファーにライが腰を掛けていた。
「きたのか」
『ええ…、ご丁寧に準備する時間をこんなにあたえるなんて』
「よほど着飾った君を堪能したいと思える」
ライフルのメンテナンスをしながらライは言った。
『あなたでも言うのね…冗談…』
「肩の力が抜けただろう?」
『そうね…、緊張感まで抜けてしまいそう』
はライの項に指をかすめた。
『髪、切ったのね、こっちの方が似合ってるわ』
「それは冗談か?」
『どう?肩の力が抜けたでしょう?』
そう言い残し、はシャワーを浴びにバスルームへ向かった。
1人残されたライは、肩をすくめた。
ところを新一は、いつか見た大人の恋愛の光景を思い出し、出るに出られなくなった廊下で立ち尽くした。
「いるんだろう?ボウヤ」
新一はそろりと顔をだし、ソファーに腰を掛けた。
「赤井さんは、ずっと損な役回りだ」
「そうでもないさ」
「さんのことは…」
「ボウヤも大人になればわかるさ」
新一は腑に落ちないまま天井を仰いだ。