【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
「降谷さんと…連絡が途絶えて3日になります…」
『過去に連絡のとれなくなったことは?』
「せいぜい1日です…」
『私も…連絡が途絶えて3日よ…』
「さんも…ですか…」
『私が力になれること、あるわね?』
風見は腹を括れずにいる。
降谷の意思を汲めば、の身を案じて一切の詳細を伏せると決めた。
上司の命令でもあり、伝えるわけにはいかない。
それでも彼女なら、と抱いてしまった期待を消すことはできなかった。
「…さん…」
風見は拳をきつく握りしめ、深く頭を下げた。
「降谷さんを…助けてください……」
降谷に助けが必要なら、それに応えない選択肢はにはない。
『当たり前よ…』
風見はと新一を一室に案内した。
他の部屋よりもセキュリティの高い部屋だった。
室内は無数の捜査資料が散乱している。
「この部屋は、ゼロのサボートに就く人間しか出入りはできません」
ホワイトボードには事件の要点がまとめられている。
そこに貼られた複数の写真に、の背筋は凍り付いた。
『零は…』
激しく抉れた助手席のドア。
割れ落ちたフロントガラス。
無数の銃弾の痕が見て取れるリアガラス。
無惨なまでに原型を留めない、白いFDの写真。
『捕まったの…?』
「…おそらくは…、我々がついていながら…」
『あなた達のせいじゃない……』
降谷を捕らえたのはジンだと察する。
のスマホが震える。
ジャケットから取り出すと、ディスプレイには"降谷"と表示されていた。