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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第10章 零の奪還


は男性の腕を掴んだ。

『ねぇ、今の話、どういうこと?』

男はスマホを耳にあてたまま固まっている。

「…あなたが…なぜここに…」
(…このタイミングで…)

男はを知っているようだった。

『彼がどうしたの、定期連絡がとれないってどういうことなの?』
「さん、どうしたんだ、って…風見さん!」

に追い付いた新一は、男に声を掛けた。

「君は…、そうか、君が…彼女を…」

降谷零の恋人、。
黒の組織の一斉捜査が行われたあの日、生死をさ迷い記憶を失ったと耳にしていた。

「っ………」

男は口を閉ざす。

『質問に答えて。読唇術はできても、あなたの心の中までは読めないわ』

黙ったままの男、降谷の部下である風見は思った。
降谷の身に、もしも不測の事態が起こった時は、には一切の詳細を伏せるように言いつかっていた。
降谷からの連絡が途絶えた今こそが、降谷の危惧した不測の事態だった。

答える様子のない男の態度にはしびれを切らせた。
ネクタイを引き、自身より大柄な風見を乱暴に壁へ押し付けた。

『あなたが口を割らないのなら、どんな手段を使ってでも調べるわよ』

風見を見上げる視線は、彼の知るとは程遠い、冷たく鋭いものだった。
風見の背筋に汗が伝う。
の気迫に、新一も口を挟むことはできなかった。

風見は思考を巡らせる。
極秘事項であるノックリストを奪ったキュラソーと同じ元組織の人間、。
彼女ならばおそらく言葉通りに調べあげることが可能だと思えてしまう。
しかし洋服選びに付き合わせるのとは訳が違う。
それでも、彼女ならば、あるいは…。

「…さん、っ苦しいです」
『話す気になった?』

観念した風見が両手をあげると、も握りしめていたネクタイを離した。
風見は歪んだネクタイを正しながら話始める。
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