【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
カーテンから差し込む日差しに目を覚ますと、いつも隣で寝ていた降谷はすでにいなかった。
(今日はお仕事って言ってたわね)
いつも通りに冷蔵庫を開けペットボトルの水を取りだし、テレビの電源をオンにした。
流行りのミュージシャンの不倫報道、何ともくだらない内容にチャンネルを変えようとリモコンに手を伸ばした。
-ここで…臨時ニュースをお知らせします。
と、アナウンサーが伝えるよりも早く、テレビから流れる不快な効果音と、画面の上部に文字が流れていた。
『…え』
飲みかけのペットボトルは手から滑り落ちた。
『陣が……』
-組織的犯罪措置法により逮捕され……黒澤陣容疑者が……移送中に……逃走…なお……
激しく脈打つ心音と耳鳴りが邪魔をして、アナウンサーの声は正確に耳に届いてはくれなかった。
移送中だったジンが、何者かの手引きにより逃走を図ったと文字が伝えていた。
はテレビの前に呆然と立ち尽くした。