【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
は額を押さえた。
『待っ…なにこれ…、痛っ…』
「、どうしたんだ」
突然襲う頭痛に、身体を強張らせた。
脳裏に浮かんだ掴めそうな何かに必死に手を伸ばす。
今にも霧散してしまいそうなほどに細く頼りない何か。
『君の……、君のそのクセ…』
歯を食い縛り逃すまいと、痛みに抗う。
淡く淡く、形を成してゆく。
『"君のそのクセ、変わらないな"…』
霞がかる彼の口元は確にそう言った。
顔は見えなくても、彼が誰なのか、今のは知っている。
『…スコッチ…そうだ、彼に…』
「、一体何を…」
何もない真白の中で、真白なワンピースを着て歩くの手を、彼は引いていた。
はチェーンにぶら下がるリングを確認する。
『ゼロ…、ゼロは、あなたでしょう?』
「ゼロは…僕だ…」
『…ゼロを頼むって、言われ…て…』
そこが何処で、何時なのかはわからない。
記憶にしてはあまりにも曖昧で、夢にしてはやけに体感が残る。
『はぁ…頭痛い…』
「いつ言われたんだ…」
『これ以上は…わからない…、ごめんなさい』
はぐったりと降谷に体重を預けた。
『少し休ませて…』
は痛む頭と、疲労感に瞼を閉じた。