【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
『そうね、気に入ったわ』
おもむろにも服を脱ぎ出した。
一糸まとわぬ裸体は大きな鏡に映る。
『………なに…これ』
右肩と脇腹、そして左腿には銃創の痕があった。
それらに関する記憶はない。
『あなたは…この痕が何か知っているの?』
降谷は背後からそっと左腿に触れた。
「これは僕を庇ってできた古い傷だ…」
左肩に触れる。
屋上に残された血痕の傷痕。
『これも僕らを助けるために負ったもの』
脇腹をなぞる。
『これはジンによるもの』
にとって身体は道具そのもの、傷を負うことは自身から価値を奪うことに繋がる。
それを作り上げたジンが傷つけた。
使い物になるかならないか、ハニートラップを基準に考えればは使い物にならない身体になっていた。
『私…私の身体を傷つけてまであなたを助けたの…?』
信じがたい、けれど、彼がそう言うならそれが事実なのだろうと思う。
『…道具しての価値は…もうないわね…』
鏡に映る自身を指でなぞり、自嘲的に笑った。