【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
に前を向く余裕はすでになく、うつむいたまま手を引かれ、ゆっくりと歩く。
しかし、歩みは突然止まった。
前のめりに倒れるに、手を引いていた彼は言う。
"ほら、待ってるよ"
(…え)
"ゼロをさ、頼むよ"
(待って…ねぇ…)
その口元は穏やかに微笑んでいるように見えた。
その先を知りたい、確かめたい、それなのにの声はでない。
(ゼロ…、零?…零のこと、なの?)
答える声はなく、底のない真っ白へ落ちる…。
その先には…。
…ピッ、…ピッと電子音は鳴る。
「!」
の鼓動は再び響き始めた。
「…」
降谷はに覆い被さるとそっと抱き締めた。
「どんな君でも愛している…、もうどこにも行かないでくれ…」