【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
の作り出した一瞬の隙を、降谷と、一部始終を壁の影からうかがっていたコナンも同様に見逃さなかった。
シューズのダイヤルをまわす。
「安室さん!避けて!!」
その声を合図に降谷は一歩横へずれると、壁から現れたコナンは射出ベルトからサッカーボールを出し、ジンの顔面へ目掛け蹴りあげた。
ジンにそれを避ける手立てはない。
降谷は間合いを詰め、きつく握りこんだ拳で顎を狙い1発打ち込んだ。
「これで終わりだ!!」
「ぐっ…」
ジンの腕から離れたを降谷が抱き留めると、倒れかかるジンにコナンはすかさず麻酔針を撃ち込んだ。
「これでしばらくは…起きれないはずだよ」
コナンは2人の元へ駆け寄る。
「さんは…」
降谷の腕の中にいるは生気が抜けたように青白い。
「すぐに病院へ…」
降谷がを横抱きにすると、入れ替わるように赤井とジョディが駆けつけた。
2人にもの状態が目に映った。
「…」
「ここは私達に任せて…」
「降谷君、を…頼んだぞ」
赤井は降谷の肩に手を置いた。
降谷は2人に頭を下げると、を抱き走り出した。
(間に合ってくれ、頼む)
心の中で何度も願う。
(頼むから…)
抱く腕にはから流れる血がゆっくりと滴り落ちる。