【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第10章 零の奪還
「降谷君、予定していたルートだが、爆破で潰れていた」
「赤井…」
振り返ると赤井にジョディとキャメルのFBI組が揃っていた。
「行くなら逆ルートで行けるわよ」
「降谷君とボウヤが抜けたところで作戦に支障は起きんよ」
「しかし…」
なおも苦虫を噛み潰す表情を浮かべる降谷に、赤井は半ば呆れるように口を開いた。
「君も彼女も…頑固が過ぎるな…。降谷君が行かないのなら」
「安室さん!周りを見てよ!」
「ボウヤ…」
心の中で"その先は言わせねぇよ"、とでも言いたげなコナンが赤井の言葉を遮っていた。
彼女を救いだしたい、取り戻したい、ただその一心で強引な力業でここまでたどり着けた。
降谷は狐につままれたような気分になっていた。
そこには計画外の爆破により慌ただしくも着実に作戦を実行する大勢の者達、それに風見の姿もあった。
「降谷さん、行ってください。あとは我々が引き継ぎます」
仲間と言える関係ではないそれぞれの機関、しかしその彼らの存在は頼もしく、部下の一言で心は固まった。
「恩に着る!」
頷く一同に深く頭を下げると、振り向き様にコナンを小脇に抱え走り出した。