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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第10章 零の奪還


は薄っすらと瞼をもたげると、あまりの眩しさに堪えきれずに瞼をとじた。

(…ここ、どこ?)

身体は鉛のように重く、いたるところに痛みを感じる。
身体を起こそうと身をよじる。

(……どうして…)

物理的に起き上がれない状態にあると気付いた。
両手足は拘束されていた。

また薄っすらと瞼をもたげると、先程よりはクリアになった視界に部屋の様子が映し出された。
黙視できる範囲を見渡せば、白で統一された部屋に寝かされているようで、腕には点滴が繋がれている。
左手人差し指にはパルスオキシメーターがはめられていた。

ベッドの周りにはピッピッと電子音を響かせる機器が並んでいた。

(…病院?…なわけはないか…)

病院にしては窓もなければ枕元にナースコールもない、あまりにも殺風景な部屋で、あげく拘束をされていると考えれば明らかにおかしいと思える。

そもそも何故この状態にあるのか記憶をたどってみると、背後から響く銃声に焼けるような痛み。
胸元からスマホを取り出しどこかへスライドさせた…そこで意識は途絶えていた。
正面からはライフルで狙われ、背後から撃たれたという事、答えはひとつしか思い浮かばなかった。

(………組織)

また失敗してしまったと、ふと思ったその"また"がいつのどれか明確にはわからない。
きっと"私"がジンに捕まった時のものだとは自分の記憶として片付けた。

しかしここが組織ならば、奥歯に仕込んだ薬もなければ、身体の自由も奪われたに出来ることはない。

降谷を守るためなら、例え彼との約束を違えることになっても、最悪の事態が起こる前に自分で自身を消す他ない。

(…とりあえずは…生き延びる事…、消すのは最終手段)

現状考えられる事は、漠然としたことのみだった。

視線は真白な天井から扉へ移した。
数人の微かな話し声と、扉の電子ロックがピッピッと音をたてた。

緊張により強ばる身体はひどく痛んだ。

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