【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
『しつこいな…、スコープを潰すしか…』
覗いたスコープの先、相手の狙撃手と視線が絡むような奇妙な感覚に陥った。
撃ち込んだ弾丸は相手のスコープを撃ち抜くと同時に、のライフルのスコープも弾き飛ばされていた。
『ッッ!』
掠った弾丸に頬から血が馴染む。
『…スコープのない闇夜で…まだ続けるつもり?』
狙撃手に集中していて気付く事が出来なかった。
背後に立ち、自身へ銃口を向けていた人物に。
GPSが示すビルの屋上へたどり着いた降谷が目にした物は、自分達のいたビルとは違う方向へ照準が合わされたままのライフルと、血溜まりだった。
「…どこだ!」
周囲を見渡しても、の姿はない。
「ッッ!!」
降谷の頬に嫌な汗が滴り落ち、痛い程に鼓動は早くなっていた。
一足遅れてコナンが到着する。
降谷の異様な様子と残されたライフル、コンクリートを濡らす血痕にコナンも胸騒ぎを覚えた。
指で掬えば、今しがた付着したものだと確認できる。
コナンはスマホのライトを周囲にあて、手がかりを探す。
貯水タンクの下に転がったスマホを見つけた。
「安室さん、これ!さんのだよね!?」
見覚えのあるスマホをコナンから受け取った。
「のだ…間違いない…」
「安室さん…」
「は、僕の…恋人なんだ…」
は降谷の前から、再び姿を消した。
降谷はインカムに手を添えると風見に事の次第を伝えた。
凍てつくような眼差しを、まだ見ぬ敵に向けた。