【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
「で?もうする!?」
「待って…」
コナンはスマホを操作し、テロで爆発した会場の画像を降谷に見せた。
「この建築中のビルに向かって!」
「ん?、よしっ!」
降谷はFDを加速させた。
建築中のビルの、搬入用大型エレベーターに、フロントもリトラクタブルヘッドライトもぼろぼろのFDごと乗り上げた。
「間に合うのか?」
「このビルの高さと、カジノタワーまでの距離を考えると…、あと1分後にここから加速できれば!」
コナンは1分のアラームをセットした。
一か八か間に合ってくれと、蘭を思うコナン。
「…愛の力は偉大だな」
「…え」
エレベーターは開き、壁もない階層にロータリーサウンドが響いた。
コナンはスマホを操作しながら降谷に問いかけた。
「前から聞きたかったんだけど、安室さんとさんって…」
「ふふ…」
降谷はのFDの見つめゆっくりとハンドルを握る、ギアに優しく手を掛けた。
浮かぶのは愛しい"恋人"の笑顔。
明確な言葉はなく、はぐらかされたまま、タイムリミットは近づいた。
その頃、2人を追いかけていたも、隣接する建設中のビルへ上っていた。
『んもう!!もっと早く動いてよ!!!』
ちんたら進むエレベーターに苛立っていた。
屋上にたどり着いたはバイクを乗り捨て、すぐさまライフルを設置し、暗視スコープを装着する。
2人の姿をおさえると同時に、右手側のビルから発砲音がなり、の脇腹を掠め足元のコンクリートを削った。
『……ぐっ…、ついてない』
死角に隠れ弾の軌道先をスコープで映すと自身に照準を合わせるレッドドットが見えた。
『こんな時に…』
3発、4発と容赦なく弾丸が襲う。
の額から冷や汗と、口元から小さな溜息が溢れ、掠めた脇腹からは血が滴り落ちた。
は撃ち込まれる弾丸の数からおおよその予想をたて、意を決した。
『リロードまで多くてもあと数発…』
スコープは自身を狙うライフルを外し、勇敢な2人の進む先へ合わせた。