【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
首都高にあがったFDは、後輪を滑らせながら車を掻い潜り進む。
しかし交通誘導の機能していない首都高は、渋滞で詰まっていた。
降谷は危なげに笑う。
車体を振り重心を外にかけると、FDは方輪走行になり、車と車の間を通り抜け…、その先に停まるカートランスポーターのロードプレートに乗り上げると、宙を切った。
気づかれない距離感を保ち、後を追っていたは…
『あぁぁぁ…、もう、何て無茶を…』
自身もバイクのグリップを握り混み、腰を浮かせると、カートランスポーターをジャンプ台にして飛んだ。
線路の上に飛び移った降谷のインカムに風見から報告が入った。
「降谷さん!カプセルのパラシュートが外れて加速しています!」
「それで!?」
「NAZUから予測落下地点が出ました!このままじゃあと5分で…カジノタワーに落下します!!」
「ちっ!!」
「このままじゃ、蘭が!」
追い討ちをかけるように、2人を乗せたFDの正面には電車が迫っていた。
降谷はアクセルを踏み込むと、鬼気迫る笑みを浮かべ、衝突寸前に電車の側面を利用し車体を傾けたまま走行を続けた。
「ここだ!!」
タイミングを見計らい、下を通る線路に飛び移った。
制御を失ったFDは左右に振られ、レールに車体を擦りながら、徐々にバランスを立て直した。
のFDはロールケージが組まれており、車体の剛性や安定性が、降谷の無茶に一役買っていた。
コナンは思った。
(死ぬかと思った…)
も思った。
(死ぬかと思った…)
後を追っていたも同じく、アクロバティックな走行と、弾き飛んできたFDのサイドミラーを避けたりと、死線を掻い潜っていた。