【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
押収品の中から最も大きい威力の爆弾が用意された。
爆弾には起爆用の携帯がセットされる。
予想軌道データはアガサ博士のもとに送られ、灰原は
爆破させる場所の算出を行う。
そして肝心な爆弾は、少年探偵団によるドローン操作によって運ばれた。
探査機から排出されたカプセルは大気圏を抜け、落下地点を目指していた。
火球のように目映い発光をまとうカプセルは黙視できる距離まで近づいていた。
開くはずのパラシュートはヒートシールドがロックされていることにより機能しなかった。
命運を握るのはドローンを操作する子供達と爆弾を起爆する降谷に託された。
一同見守るなか、2台の端末を手に、降谷はタイミングを計る。
レーダーに映るのは衝突目前のカプセルとドローン、降谷は起爆装置をタップした。
雲間から爆破による一瞬の閃光が、夜空を広範囲を照らした。
「了解、成功したよ。パラシュートも開いたようだ」
「良かった!」
『本当に良かった!』
「降谷さん、日下部検事を逮捕連行します」
声のする方を振り向くと日下部の逮捕に数名の刑事が現れた。
「待って!」
コナンはスマホを操作すると、ディスプレイには羽場の姿があった。
「日下部さん、私達は今でも一心同体です」
「あぁ…」
日下部は瞼を閉じ、羽場の言葉を噛み締めた。
「二三一!!」
その声に羽場は驚きを隠せなかった。
「鏡子…!」
「二三一…、まさか…生きていたなんて…それも公安検事の…!」
連行される日下部を橘は憎しみの籠る視線を向けた。
「鏡子先生、あなたも協力者だったんですね。それも風見刑事の」
「ボウヤ…聞いたわね。なぜ二三一を雇ったのかって…、司法修習生を罷免された彼に、公安警察は要注意人物として目をつけた」
4年前、橘法律事務所へ羽場を連れた風見が訪れていた。
羽場を雇い、彼の行動の報告をするよう橘に命じた。
「でも…二三一と働くうちに、何故か彼に強く惹かれるようになって…」
「私も同じだった…、だからこそこんなことになって本当にすまないと思う」
「私と同じ…協力者だったなんて」
しかし全ての始まりは、NAZU不正アクセス事件だった。