【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
「警視庁ヘリポートのライブ映像だよ」
「どういうことだ…」
「拘置所で彼を取り調べた公安警察は、彼を自殺したことにして、これまでの人生を放棄させたんだ」
公安検事が協力者を使っていた事実を隠蔽するために、そして公安検事が二度と協力者など作らぬよう、真実は日下部にも伏せられた。
違法作業を自らカタをつける術が日下部にはないと公安警察がそう判断を下した結果だった。
羽場と日下部、2人の付き合いは2年と決して長くはなかった。
しかし人生のどん底から掬い上げられた羽場と、正義を全うするための共に歩んだ時間は、日下部に悔恨を残すには十分だと言えた。
「日下部さんはお前のおかげで公安検事として戦えると言ってくれた。だから私は今もこうして戦えるんです」
羽場の日下部に対する思いは伝えられた。
隠されていた事実を知らされた日下部はただ落胆する他なく、しかしライブ映像に映る羽場のいる警視庁のリポートは奇しくも日下部本人が探査機の落下へ選らんだ地点だった。
「日下部さん変更したコードを教えてください!」
「あそこに落ちれば羽場も無傷じゃいられない」
後ろ手に背後の警視庁を指差す降谷を日下部は振り返り怒りを露にした。
「!汚いぞ!これが公安警察のやり方かっ!」
刻一刻と迫る探査機を制御できる猶予はあとわずかしか残されていない。
羽場は日下部に尋ねる。
「日下部さん、それが私の信じたあなたの正義なんですか?」
その一言は日下部の頑なな最後の壁を崩した。
「NAZUに不正アクセスして、変更したコードは-
[Authorization Code]
H A B A _ 2 3 1
▪️SUCCES▪️
探査機の落下は無事に阻止された。