【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
「羽場さんは…やっぱりあんたの協力者だったんだね」
日下部は顔を上げると驚きを隠せない表情を浮かべコナンを見つめる。
「なぜ…それを…」
公安警察である降谷が異例の取り調べを行ったあとに自殺をした羽場。
その羽場をSにしていた日下部は、公安警察への復讐心を刻み込むように携帯のパスコードを88231、羽場二三一、彼の名前に設定をしていた。
公安警察の協力者は全てゼロに報告され、番号で管理される。
刑事同士でも互いの協力者を知らない。
ましてや公安検察が協力者を抱えていることなど、羽場の一見で降谷も認識する事になった。
そして日下部は羽場の命日と偶然にも重なった、地球へ帰還する探査機を警視庁へ落とすと決めた。
当初の予定にはなかった二度目のIOTテロは、巻き込まれた毛利の無実を証明するために行ったことで、被害の規模は企てた当人の予想をも越えるものになってしまった。
「もうこれ以上、罪を重ねちゃ駄目だ。不正アクセスして変更したコードを教えて」
「…公安検察は正義を守るプロだ。羽場のような正義は失われちゃいけない」
「コードを言うんだ」
「私を逮捕すればいい。取り調べでは一切を黙秘する」
コナンと降谷の言葉に耳を貸すこともなく日下部は口をつぐんだ。
「日下部検事!」
コナンはスマホを操作し、ディスプレイを日下部に見せると、映し出される映像に日下部は釘付けになった。
―「日下部さん…」
「馬鹿な…、何で羽場が…」
ディスプレイの中には亡き羽場の姿があった。