【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
翌朝になり東京地方裁判所で公判前整理手続は行われた。
は警視庁前にある公園へ呼び出されていた。
しかし到着するとコナンの背後に近づく降谷が目についた。
(……嫌な雰囲気…)
は思わず近くの木の影に隠れると、隣には同じく隠れている様子の風見がいた。
『……風見さん…お疲れ様です』
「……お疲れ様です…」
警視庁以来の再会は、どちらも微妙な空気には変わりなかった。
「捜査会議の盗聴かな?」
「何でここが…」
「毛利小五郎の事となると君は一生懸命だね、それとも蘭ねーちゃんのためかな」
コナンに詰め寄る降谷はあまり見ていたいものではなかった。
風見はあまりにもとの距離が近く半歩横にズレた際に小さな物音を立てた。
は信じられないモノを見るような目を風見に向けた。
「構わない、出てこい」
降谷の声に風見は木の影から抜け出た。
「…もだ…」
気付かれていた事に驚くも風見と同様に木の影から抜け出た。
「なぜ私を呼んだんです…、降谷さん?」
怒気をはらませた降谷は風見の腕を掴みあげると前後に揺さぶりを掛けた。
バランスを崩した風見は膝を地につける。
そして袖に仕掛けられた盗聴器を外す。
「これで良く公安が務まるな…」
「……ッ、すみません」
降谷は指で盗聴器を捻り潰すと、背を向けその場を去った。
はその後ろ姿を見つめた。
公安として動く降谷零に触れる事は躊躇われた。
残された風見は顔に冷や汗を滲ませた。
「一体誰が…、盗聴器は君が仕掛けたのか…」
風見は額に手を当てた。
「いや、まさか…こんな子供が…」
コナンは風見を見据えた。