【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第9章 零と執行人
「失礼します、降谷…さ…んっっ!!!」
病室内には自身の上司の膝上に乗ると、その態勢のまま振り返る降谷が目に入る。
見てはいけないものを見たようなバツが悪そうに、顔と身体を硬直させる風見の姿があった。
『あ…。お疲れ様です、風見さん』
風見はハッとしたように姿勢を正す。
「さん、具合の方は?」
は降谷の膝から降りようと身動ぐも腰に回された腕が緩む様子はなかった。
『えっと…この通り無事です!』
「…そうですか、安心しました」
降谷は室内にいる風見をものともせず、の腰に回していた腕をあげ手の平は後頭部をホールドした。
「時間か…、行かなくては…」
言葉と行動が伴わない降谷を不思議そうに見つめる。
『うん?気をつけ、んぅ!』
の目前には降谷の空色の瞳があり唇に温かく柔らかい感触が押し付けられていた。
彼らしくない行動にも風見もフリーズしたのは言うまでもない。
降谷は舌での唇を名残惜しそうに舐めとるとホールドしている腕の力を抜いた。
そのままを持ち上げベッドに座らせると、表情を一変させる。
公安所属の降谷零、迷いのない彼の顔がそこにはあった。