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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第9章 零と執行人


割と強めで振り下ろされた手刀はボカッと鈍く重い音をたてた。

「なっ!」

予想だにしていなかったの行動に頭頂部を抑えた降谷が顔を上げた。

『やっとこっち見た』
「…?」

はベッドから降りると降谷の膝の上に跨り首に両手を回し抱きしめた。

『私に零から離れろって言うの?』

降谷はの背中に手をまわし、肩に顔を預けた。

『私は無理』
「…俺ではを守りきれない…」
『うん、わかってる』

連絡の取れなくなった三日前から降谷は激務に追われていた。
加えてここへ来て爆発事故が起こる。
公安という職務を全うする為にはの傍を離れなければならない、分かりきった事だった。

「…俺はもう…」

誰も失いたくないと降谷はかつての友を思い描く。

時折見せる弱々しい降谷を抱きしめるの腕に力がこもる。

『大丈夫だよ、"私は"あなたを残して逝ったりしない』

降谷は目を見開いた。
その言葉は今の彼女のものか記憶を失う前の彼女のものか。
の様子を見る限り、何かを思い出した時に見せる動揺は見られなかった。

「…、君は無茶をしすぎる」
『零もね?』
「俺も風見もしばらくは身動きが取れなくなる」
『うん』
「傍にいる事が出来ない」
『私を信じてよ、いざとなれば身を隠すから』
「…ふぅ、わかった」

――コンコン

病室の扉がノックされ、スライド式の扉が開かれる。


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