【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第8章 真実と真意
は周辺を見渡す。
いつもなら工藤邸にいるはずの赤井の姿はなかった。
『昴は?』
「さんをここに運んでから用事で出掛けてるよ。夜には戻ると思う」
『そう…。助けてくれてありがとう、私行かないと…』
は懐かしさの残るベッドから抜け出すと、テーブルに置かれたホルスターを肩にかけ、ソファにかけてある上着に手を通した。
「まだ寝ていた方が…」
「さん、無理をしない方が…」
『ただの睡眠薬のようだし大丈夫!』
心配そうにを見つめる哀の肩に軽く手を置くと笑ってみせた。
コナンは半ば呆れ顔ながら車のキーをに投げた。
「さん」
コナンの手を離れ放物線を描くキーを右手に受け取る。
『ありがとう!』
「何かあったら…、じゃないな。できれば何か起こる前に連絡して」
『はは…うん、わかった』
なおも呆れ顔のコナンに苦笑いをするほかないだった。
勝って知ったる工藤邸の車庫をあけ車に乗り込みキーをまわす。
何かに追われているような、吸い込まれているような…、腹部の中心がが落ち着かない気分を引きずり、行く宛もなく工藤邸を後にする。
『ジン…ベルモット……、アイリッシュ……アイリッシュ…』
マフラー音だけが響く車内では心を囚われたように何度もつぶやいていた。
『…?』
バックミラーに映る違和感に気づいた。
はアクセルを強めに踏み込む。
『いつから…尾行られてた…?』
左右後方に二台の黒塗りセダンが着いていた。