【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第7章 誘発と暴発
は工場地帯を抜け、降谷と再会した時に連れて来られた港の埠頭へ車を走らせた。
『さすがにここにいるわけないか…』
埠頭は静かな波の音と、背後から自分に近づく微かなヒールの音がの耳に届いていた。
(…こんな場所でヒール音?私もヒールだけど…)
はホルダーから拳銃を抜き安全装置を解除すると、背後から女の声が聞こえた。
「ミスティ…、久しぶりね。仔猫ちゃん?」
声のする方へ振り返るとブロンドの女性が銃口をに向け立っている。
『あなた…、東都水族館にいたわね』
以前東都水族館の医務室を覗いていた女性だった。
そして降谷がノックだと疑いをかけられ、ジンに軟禁されていた場所にも似た人物がいた事を思い出していた。
「?、あら、記憶がないのは本当のようね?」
『ええ、残念ながらあなたが誰かもわからないわ』
女性は銃口を向けつつとの距離を詰めてくると、も相手に銃口を向けた。
「随分と強気ね?でもあなたは撃てないわ」
『?、どうしてそう思うの?』
「殺しの依頼を断ったからよ」
歩みを止めない女性は目の前まで迫り、後ずさるの背中はFDの側面に当たっていた。
『あなたも組織の人間なのね…』
「でもね…、仔猫ちゃんとはもっとイイ仲だったわよ?」
『…え?』
女性はの顎に手を添えると唇を重ねてくる。
『んっ、な…、に……』
開いた口には舌と小さなカプセルのような物が唾液と共に捩じ込まれていた。
はカプセルを飲み込まずに、すぐさま奥歯のへこみに嵌め込んだ。
女性の胸に腕を当て押し退ける。
『何…、飲ませたの…』
「仔猫ちゃんを連れ戻せって煩いのよ」
『…答えになってないわ』
「 アイルオブスカイミスティー、アイルジン。あなたジンから逃げられるなんて考えない事ね」
『どういう事…』
女性は呆れたような表情で大きく息を吐いた。