【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第7章 誘発と暴発
ポアロを出た二人は駐車場まで歩くと車に乗り込んだ。
『…仕事だったんだよね、わかってる』
「…すまない」
幾度となく彼から聞いた"すまない"の言葉は、理解しているはずの気持ちとは裏腹に何故だがを苛立たせていた。
『わかってる、わかってるけ…んッ』
言い終わる前に塞がれた唇は割って入る降谷の舌に絡め取られていた。
開いたまま切なそうに自分を見つめる降谷の瞳にの苛立ちも消えていた。
『っん、はぁっ…、もう!零はズルい』
「に不安な顔をさせたいわけじゃない」
『わかった!わかったから零こそそんな顔しないでよ…もう』
は降谷を両手で押しのけると小さく息を吐き出した。
理解はしていても、脳と心の均衡が保てなくなる自分への呆れだった。
しかしこの時に梓に似ているという女性の情報を少しでも得ることができていれば、事態は何か変わっていたかもしれないと…今の二人は知る由もなかった。
降谷はをマンション前まで送り届けると、公安の仕事へ向かった。
その日から降谷と音信不通になり三日が経過していた。
(三日も連絡がこないなんて変だ…、でも何かあれば…)
風見から連絡が来るはずだと思う半面、"ゼロ"という本来ならば家族にすら素性を明かす事のない特殊な組織に降谷は属していた。
(零に何かあっても…、そもそも私に連絡なんてくるの?)
はいても立ってもいられず武器を装着すると、部屋を後にし車に乗り込んだ。