【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第7章 誘発と暴発
到着したのはBEIKA YOUTH HOSTELだった。
『ここにいるの?』
「おそらく」
二人は車を降りると建物の中へ入り、カウンターにいる男が目についた。
「Scusi,dov’è la taverna?」
「タベルナ!!」
懸命に何かをカウンターで伝えている様子が伺えた。
『あの人?…イタリア語で食堂はどこかって聞いてる』
「あぁ。彼で間違いないな」
降谷とはカウンターにいる男の隣へ歩み寄ると、顔を覗いた。
(………全ッッッッ然、似てない……)
は激しく落胆した。
次の日、対象人物を連れポアロへ足を運んだ。
イタリアから来た彼の名は"マッテオ"、イタリア語で食堂は"タベルナ"と言い、聞き間違えと見間違えによる勘違いだと降谷の誤解は解けた。
あらためて二人を見比べるラーメン小倉の店主ですら…「しかし、こうして見ると全然似てねぇけどなぁ…」と言うほど似ても似つかなかった。
「人はどうしても、見聞きしたものを過去の記憶と結びつけてしまう傾向がありますから…。こういう人違いは割とあるんですよ!」
梓は何かを思い出したように口を開いた。
「あ!そっくりさんって言えば…。この前私にそっくりな人が安室さんとライブに行ってたって…蘭ちゃんと園子ちゃんが言ってました」
『…?』
は降谷からライブに行った事や、ましてや女性と一緒だった事が俄に信じ難かった。
降谷に視線を移せばその表情から梓の話が本当だと伺えた。
その後、マッテオの来日目的である日本発祥のパスタ"ナポリタン"を食べるとその場で解散となった。
その間もの頭の中には降谷と梓に似た女性の事でいっぱいになっていた。