【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第7章 誘発と暴発
「バンドだよ!バンド!うちら3人で女子高生バンドやろ!」
とある日のお昼過ぎのポアロでは、何かとお騒がせな園子の声が響いていた。
休憩に入った降谷とや、店内に残るわずかな客もその声が耳に届いた。
園子が観た映画の題材が女子高生バンドだったらしく、その影響を受けたのが事の発端だった。
園子がドラムで世良がベース蘭がキーボードと半ば強引に担当は決まり、年末に行われる米花町のカウントダウンライブに参加をすると園子は言い出していた。
「けどさぁ、バンドならあとギターがいるんじゃないのか?」
「そうなんだけどクラスにギターできそうな子いなくてさぁ…」
「さん、テーブルの上拭いておいてくれます?」
降谷の一言で園子は喜々とした表情をに向け指をさした。
「いたー!いたー!!」
『え?』
「その女子高生バンドにもっていうギターの上手い子がいたんだよね!」
『え、でも私ギターに触ったこともないよ?そもそも女子高生でもないよ』
園子の無茶振りには気圧されていた。
「そんなの制服着ちゃえば分かんないって!さん若くて美人だし!!」
『む…無茶苦茶なっ…、でもギターって難しいんじゃ…』
「大丈夫大丈夫!ちょっと練習すればすぐ弾けるようになるってー!」
すると隣のテーブルに座っていた男性客が2人組が自分のギターケースを叩き、「そんな簡単なら弾いてみろよ」と園子にけしかけていた。
戸惑う園子に携帯アンプを差したギターを手渡し「練習すればすぐ弾けるようになるだろ?ここでやって見せてくれよ」と尚も園子を責める。
ギターを肩にかけた園子はでたらめなコードを押さえピックで弦を弾いた。
その間の抜けた音を聴くなり爆笑し罵る2人組に、園子も涙目になる。
がいい加減我慢の限界を感じていると、降谷は「貸して」と園子からギターを受け取り肩にかけると掻き鳴らした。
は初めて見る降谷に目も耳も釘付けになった。
その場にいた皆も同じように見惚れ聞き惚れた。
「うまあ…」
『……もうどうしよう』
は降谷のカッコ良さにたまらない気持ちを抑えられずに声が漏れていた。