【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第5章 偶然と必然
―――Pip
隣で寝ている彼を起こさないようアラームを止めた。
安心しきったように心地良い寝息をたてる彼の寝顔には、やはり少し疲れの色が見て取れる。
多忙な彼にせめて少しでも心休まる時間を過ごして欲しいと思う。
柔かいミルクティー色の髪を掬い頬にキスしベッドを出る。
二人分の朝食に、コーヒーを落とせば芳ばしい香りが立ち込める。
先に朝食を済ませ出勤準備に取り掛かる。
服もメイクもヘアセットもカジュアルにポアロ仕様にする。
まだ寝ている彼に心の中でに『いってきます』と告げ家を出る。
車に乗り込みポアロへ向う。
ドアベルを鳴らし店内に入る。
『梓さんおはよう』
「さんおはよう!」
『今日からまたよろしくお願いします』
「こちらこそ♪」
またポアロで働ける事に上機嫌で準備に取り掛かるが以前より柔かい雰囲気に感じる。
「さん雰囲気変わりましたよね!」
『え、そう?』
「柔らかくなった、ような?」
『そう…なのかな』
梓の自然な対応に少し胸を撫で下ろした。
オープンし、あっという間にお昼のピークも過ぎる。
『梓さん、休憩どうぞ』と伝えると昼食をカウンターに運び座る梓。
カランコロンとドアベルが鳴る、少し早く出勤してきた安室だった。
「お疲れ様です、さん」
『"安室さん"お疲れ様です』
不満そうな表情をする彼。
『と、透さん』
「はい」と嬉しそうに返事をしバックヤードへ消えていく。
梓は店内に自分達しかいない事を確かめを呼ぶ。
『?』
「安室さんと何かありました?」小声で聞いた。
『え…どうして?何もないですよ?』
いつの間にかカウンターからこちらを覗くような体勢の安室。
「僕はさん一筋ですよ?」
キラキラスマイルで言い放つ彼には固まり青ざめる。
『ちっ、違うよ!違う!もう…冗談やめて!!』
は安室をジト目で睨んだ。
相変わらず安室はとぼけた顔をしている。
『そんな噂流れたら安室ファンに刺されるっ!!』
「安室さんはみんなのアイドルですからね〜♪」
振り回されているうちに退勤時間をむかえぐったりと帰路についた。