【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第4章 優柔と懐柔
まるで二日酔いの気分だった。
(二日酔いなんてなった事ないけど!)
水を口に含み飲み干し手の甲で拭う。
沖矢に連絡を入れると工藤邸に来いと呼び出され、コナンにも伝えると一緒に来る話になる。
念の為にいつもの装備も忘れず着替え、メイクもし髪型は気合の一本縛りで纏めた。
車に乗り込み工藤邸を目指す。
到着するとコナンが車庫を開けてくれた。
久しぶりに足を踏み入れた工藤邸は相変わらず心地良い雰囲気だった。
『朝早くからごめんね、お邪魔します』
沖矢の淹れる紅茶の香に懐かしさを感じ、ソファに座ると目の前に紅茶を出される、何度も経験した事だ。
『まず…はじめて記憶を取り戻した時の話を端的にするね』
激しい頭痛により目覚め脳に映像が流れ、パズルのピースがはまるように記憶として認識できるようになる、と説明する。
『それで今朝…』
夢の中で見た話をする。
"ジン"の単語にコナンが反応する。
最後に見た"赤井"と"秀一"と"ライ"について聞きながら本人の顔を見る。
見事に貼り付いていて表情からは何も読めなかった。
『これは記憶?』
沖矢は少し悩んだあと口を開く。
「"ジン"は組織の『っっちょっ…待って…、頭……痛っ』
頭を抑え蹲る。
の頭の中に映像が流れる。
夢に見たものと同じ映像のぼやけていた顔が鮮明になった。
沖矢はに駆け寄り背中を擦り、コナンは慌てている。
『男の顔……、黒のポルシェ・356Aの男だわ…私に注射を打った男』
顔を上げて沖矢を見る。
『この男が"ジン"なの…?』
「銀の長髪で緑の目だったか?」
『そう、その男』
『注射器を片手に怒っているかと思ったの…笑ってた……っうぇっ…気持ち悪っぃっ』
口を手で抑えるを沖矢は負担の掛からないように横に抱きトイレまで連れて行った。