第23章 殺意の目
朝の一件があってから自室に籠りっぱなしの私の部屋にやってきたのはメランサだった。
「さくらさん。私がここにいますよ」
彼女は私に何も聞かず、ただそう言って枕元に座って頭を撫でてくれている。
アドナキエル同様、ずっと傍にいてくれた。
それから数十分後に重苦しい雰囲気でスチュワードがやって来た。
「さくら、平気?」
その問いに何も答えられず、質問を質問で返すような言葉を送った。
「スチュワード…何が、どうなってるの…?」
「…さくらには何も教えてやれない」
苦しそうに視線を落とす彼に、私は起き上って彼の肩を掴んだ。
その時、メランサが止めたが、首を横に振って彼女の手を振り払った。
「レイリィは友達だった。だから…私は、知らなきゃならない…受け止めなければならない」
「…」
スチュワードは、一度アドナキエルと目を合わせる。と、小さく溜息を吐いて私に手を差し伸べた。
「知りたいなら…一緒に現場に行こう」
「うん…!」
その手を握って数時間ぶりにあの廊下を訪れることにした。
もしかしたら迷惑がかかるかもしれない。だが目を逸らすわけにはいかなかった。
グッと拳を作り、改めて現場…レイリィの部屋に訪れた