第23章 殺意の目
そこは警察が張るようなテープが張られていて、通行禁止になっていた。
監視員の許可を取り、その扉が開けっ放しの部屋へ足を踏み入れる。
「…」
スチュワードは部屋を見渡しながら、何故自殺となったのかを裏付けることを淡々と話してくれた。
「レイリィは昨日の深夜2時頃、部屋の中心で手首を切ったことによる失血死で亡くなっている」
確かに言う通り、部屋の中心には円を描いて広がっている血の跡が絨毯に染みついている。
しかしよく見ると、その円の中心からポタポタと雫を垂らすように点が右往左往して最終的にどこかに続いている。
「これは?」
「この部屋の出入口のドアにもついてるんだけど、最終的にどうやら奥の洗面所兼シャワールームに繋がっているようだよ。…ちょっとショッキングだから気を付けて」
その点を追って出入口を見た。
確かに今見れば、ドア付近には無数の点がついている。ドアにも擦れているが血の跡がある。
顔を歪めた後、洗面所に向かった。
入ってすぐに血がそこで溜まり、小さな水溜りを作っていることを確認して、右のシャワールーム見た。