第22章 晴れてこれで
「うわわわわああああ!!推しだああああ!?」
首を傾げて先程の廊下の角から頭を出して廊下の奥を見据える。と、カーディとサナが立ち止まっていて、その目の前にはアドナキエルとスチュワードがいるじゃないか。
気まずくて、咄嗟に頭を引っ込めて隠れる。
「カーディ、さくらがどこに行ったか知ってる?」
「え?さくらちゃんなら後ろにー…あれ?」
カーディ頼む要らないことは言わな「ドクターの所に行くって言ってたよ!」カーディ…!!
やばいと思って走り出そうとしたが、不意に思った。
"何故逃げる必要がある?"
自分は2人が好きなのだろう。だがそれが罪だと知っているから体は逃げようと足を動かしていく。
だが、気持ちは正直にいたいという想いが足を硬直させる。
頭はその葛藤で使い物にならなくなり、熱暴走を起こして膝から折れた。
その時に腰にぶら下げている自分の武器が地面に当たりカシャンと音を立てて廊下に響く。
そんなこと気にしていられないほど、頭は働かなくて、ついに足は動かなかった。
見慣れた靴が2つ見えた所で膝を抱えた。