第22章 晴れてこれで
とりあえず彼女がシャワーを浴びている間に服を用意して、誰か暇な人いないかと食堂を見てみると、一番先にカーディが目に入って彼女がいるテーブルに両手をついた。
「カーディ!今すぐ来てくれる!?」
「「あ」」
「!」
周りが見えなかったせいだが、カーディの右横にはアドナキエル、スチュワードの2人がいた。
目を見開いて何か言おうとしたが、昨日の羞恥心を思い出して自然と目が泳いだせいで言うに言えない状況になって、そのままカーディの目をじっと見つめた。
「さくらちゃん~食堂いなかったから探したんだよ~?朝ごはん食べたのー?」
「朝ごはんより大事な事!いいから来て!」
「なになにー?楽しい事ー?!」
カーディは立ち上がって私に抱き付く。すぐにその細い手首を握って走り出した。
「兎に角一緒に来て!」
「さくらちゃんー!?」
ちょっと遠いが、そのまま真っ直ぐに廊下を駆け抜けた。
―――――――――
その頃、食堂の机に突っ伏せる2人の青年は嘆いていた。
「…ホント落ち込む。何であんなことしたんだと思う?」
「俺にもわからないんだからわからないよ」
そんな2人の前にノイルホーンが座った。
「お?どうした、青年共」
「何でもないです」
「何故睨んだ」
レクリエーション訓練の時を思い出したらしい。ムス、として話そうとしないアドナキエルに対し、スチュワードは顔を上げてノイルホーンに笑いかけた。
「ちょっと恋愛面で落ち込んでまして」
「何?話してみろ」
あくまでオブラートに包んで告げるスチュワードにノイルホーンはマスクの下で苦笑いした。
「まぁ百も承知だろうが、お前らが悪いな。…ま、でも聞いてる分じゃまんざらでもないんだろ。もう一回押してみたらどうだ?」
「!なるほど。今すぐ行こう!」
「!引っ張るな、アドナキエル!こらっ、あぁ、すいませんノイルホーンさん!行ってきますっ」
「…若いなぁ」
2人が何やら動き出し始める。