第18章 武器を持つ意味
「そうだね。ロドスは居心地がいい」
「間違いない」
居場所を一度失った同士だ。気が合う。
気が合う…のだが、"そういう感情"は話してみても沸かない。
食事が終わり、トレーを片付けた後食堂から出る。と、この世界の人たちはとても紳士だから、
「送っていくよ」
と、言ってくれて、2人で部屋までの道を談笑しながら歩く。
元の世界の友達もこんな感じだ。話をする専門の私をただ相槌や意見を言うだけで、話に耳を傾けてくれる。聞く専門の友達だ。
気分のいいまま歩いているとふと、彼は私から視線を外して前を見据えた。
「一つだけ…聞いても良い?」
「うん?」
「先輩…アドナキエル先輩と、スチュワード先輩、2人とは…さくらはどういう関係?」
首を傾げた。
ここで2人が出るのは、私が一番長い間一緒にいる相手だからだろう。
しかしどういう関係かと言われてしまうと、どういう関係なんだろう?と疑問が生まれる。
友達には違いない。しかし今日一緒に戦うと誓った戦友でもあるのだ。
だが今は、彼が聞きたいのはそんなことじゃない。
「君の思っているような関係ではないよ。そうだったら君のお誘いはすぐに断ってるし」
「仲が良いように見えるから、どっちかはそうなんじゃないかって思っていたんだ。予想は外れたようだね」
レイリィはほっとしたように胸を撫で下ろした。
その様子を見ると何故か心がざわついた。
安心されて、今何を思った―――?