第18章 武器を持つ意味
2人は私の中で、何だろう?わからなくなってきた。好き、という感情が全くない…わけではないのか?
しかし、相手は2人だ。…2人のどっちかが好きなのか?
…頭が痛くなってきた
「さくら?」
「…うん?」
いつの間にか立ち止まっていたようだ。
少し離れた所にレイリィが振り向いてこちらを見ている。その目はとても悲しそうだ。
「……僕に勝算はある?」
「え?」
「本当は気付いていないだけで、君は、彼ら…2人の事「あれ?さくら、何しているんですか?」!」
「こんなところにいるなんて珍しいね」
レイリィの後ろの廊下の角からきょとんとした顔のアドナキエルとスチュワードが歩いてくる。
その目は真っ直ぐに私を見ている。
レイリィの言葉に被さって聞こえなかったが、あの続きが脳内補完されて鼓膜を揺らす。
"君は、彼ら…2人の事が好きなんじゃないのか"
「ッ!…」
瞬間、2人のことが見れなくなった。
視線は泳ぎ、気まずい空気が嫌で、怯んでは図星になるのに、私は一歩二歩と後ずさり、その場から逃げた。
後ろから2人の声がしたが、耳は受け入れるのを拒否し、右から左へと流れて行った。
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「さくらっ!…!…何ですか?…離して下さい」
「先輩、少し僕とお話しませんか?勿論、彼女のことについて」
「…いいよ。僕らも話したいところだったんだ」
低い声で言ったスチュワードの声に、アドナキエルの手を掴んだ彼はにこり、と笑った。
To be continued.