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【アクナイ】滑稽な慈悲
第18章 武器を持つ意味
カンコンカン、と階段を上る音がしばらく続く。
その音が途絶えたのは、最上階まで来た証だ。
一度瞬きを落して目の前のドアを開けると、ぶわりと外の空気が襲って来た。
2回目の瞬きで、しばらく閉ざしていた口を開いた。
「…欲しかったんだ、人を殺せる勇気が」
返答はない。ただあるのはドアの境界から向こう側へ一歩踏み出す足音だけだった。
しばらくそれが続くと、彼は、私を抱える手を強めた。
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