第1章 これはきっと何かの間違い_
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なんだ、やっぱり鬼もレモンティー好きなんじゃん
『ふーん』
吐き捨てるように言うと、2度、3度とこちらを見てくる男の子が目に止まった
ん?何見てんの?
そう思って後ろを見るが扉があるだけだ
と、その時、奥から聞き覚えのある声が飛んできた
「てめぇを見てんだよ、山下
ちゃんと自己紹介しろ」
坂木にそう言われ遅くながらちゃんと自己紹介してなかった事に気づいた。
ましてや、私は女子だ
普通なら話しかけるのに躊躇するだろう
『あー、ごめんね
113小隊、四学年の山下です。
部屋は118号室、一応部屋長です。
防大へようこそ、歓迎します!
一年間、よろしくね。』
そう言うと待ってましたと言わんばかりにこちらに駆け寄ってくる新入生
おうおう、今年はクセが強い子が多いな。
一人は坊主頭の少年
いかにも野球部って感じだ
こっちでも野球部に入るのだろうか
もう一人は高身長でニコニコしてる少年
少しか弱そうにも見えるが、まぁ鍛えていくうちにそれも気にはならなくなるだろう。
それに、高身長は中々いいぞ。
うちの部に入ってくれないかなぁ…
「ぁ…沖田です
よろしくお願いします!」
「原田です!
よろしくお願いしますっ!」
そんな言葉に返答しながら私は辺りを見渡した
『……』
は?あいつ、いねぇじゃん
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