第1章 これはきっと何かの間違い_
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おいおい、マジかよ
呆れた様子が顔に出ていたらしい
沖田学生と原田学生が心配そうに顔を覗き込んできた
せっかく会いに来てやったのにいないってなんだよ…
「山下は何しに来たんだ?」
そんな事を考えていると坂木の声でハッと我に返る
『いや、近藤学生に用件があって…』
そう言うと坂木の眉がピクリと動いた気がした
『どこいったか知らない?』
奥の方を見ると机の上に参考書が置いてある
うん、絶対そこ、あいつの席だわ
「ぁ…近藤くんならさっき対番の先輩にプレスの練習をって隣の寝室に…」
少し下がり眉気味にそう言う沖田学生
やっぱりこの子、犬にしか見えない
『対番…?あー、松平学生か』
「お?山下は知り合いか?」
ゴリラが近付きながら尋ねてくる
知り合い?なわけあるか
『いや、全然、全く
廊下ですれ違った事あるぐらい』
そう言うと、は?という顔でこちらを見てくる4人
『隣ね、了解!ありがとね!』
そう言って私は115号室を後にした
さて、どうするべきか
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